COLMUN
コラム

Web広告運用をするならインハウスと外注どちらがいい?判断基準と費用の目安を解説
この記事を書いた人

大塚達磨
OTSUKA TATSUMA
新潟県出身、福岡県在住。
元東京都港区役所職員。退職の翌日に福岡に移住し、LINE公式アカウントと機能拡張ツールであるLステップの活用支援を軸にしたwebコンサルティング会社、株式会社禅を創業。
【Lステップ正規代理店】として、『お客様の一番のサポーターになる』をモットーに、数多くのLINEアカウントを手がける。
趣味は定期的にお寺に通い、坐禅をすること。
目次
広告運用を始めるにあたり、インハウスか外部に外注すべきか悩むケースは少なくありません。インハウスはコスト面やノウハウ蓄積に強みがある一方、リソースや知識不足が課題です。外注は専門性が高い運用が期待できますが、費用や外部委託に対するリスクへ不安を感じる場合もあるでしょう。
本記事では、インハウスと外注のそれぞれの特徴、メリット・デメリット、費用の目安を解説します。自社の状況に合った運用方法を見極めるための判断基準やポイントも紹介します。
インハウスと外注の違いとは?

インハウス運用とは、広告戦略の立案から実行、効果測定までの一連の業務を自社の従業員やリソースでおこなう方法です。一方、外注は、広告代理店やコンサルティング会社などの外部企業に委託することを指します。どちらを選ぶかは、企業の規模や予算、目指す成果などによって異なります。詳しくみていきましょう。
インハウス運用の特徴
広告運用におけるインハウス運用とは、広告戦略の立案から実行、効果測定までの一連の業務を自社内の人材やリソースで担う体制です。この方法は、初期投資や専門知識の習得に時間と労力が必要ですが、自社に広告ノウハウを蓄積できるメリットがあります。インハウス運用のメリットとデメリットは、以下のとおりです。
メリット | デメリット |
・自社に広告ノウハウを蓄積できる ・広告の最適化や対策が迅速に対応できる ・外注費用を削減できる ・企業秘密を社内に保持できる | ・初期設定や運用体制の構築には時間と手間がかかる ・運用方法が特定の手法に偏るリスクがある ・最新情報やノウハウを自社で継続的にアップデートする必要がある |
自社のマーケティング担当者が広告の運用スキルを習得すれば、日々の効果測定をもとにキーワード調整や広告文の改善にも迅速に対応できます。ただし、安定した広告運用を続けるには、特定の担当者に依存しない体制が欠かせません。社内でノウハウを共有できるマニュアル整備や、人材育成の仕組みづくりが必要です。
外注運用(広告代理店利用)の特徴
広告運用を広告代理店に委託する外注は、専門的な知識や豊富な経験を持つプロに任せられるため、効率的で質の高い運用が期待できます。ただし、運用代行費用がかかるほか、代理店とのコミュニケーションに課題が生じる可能性があります。外注のメリットとデメリットは以下のとおりです。
メリット | デメリット |
・システム開発やWebマーケティングに精通した担当者に任せられる ・自社の人的リソースを割かずに広告運用を委託できる ・最新のノウハウや知見を取り入れられる | ・運用代行費用がかかる ・代理店とのコミュニケーションに齟齬が起きやすい ・代理店からの成果報告や提案内容の質が一定ではない |
広告代理店は、広告媒体の最新知識や効果的な運用ノウハウを有しています。そのため、自社のリソースを使わずに専門的な広告運用を外部にまかせることができ、社内のコア業務に専念しやすい環境が整います。
もし、新たにSNS広告を始める場合、実績のある広告代理店にターゲット設定やクリエイティブ制作、効果測定まで一括で依頼することが可能です。自社内にノウハウがなくても、効率的に広告展開を進められるのが大きなメリットです。
どちらが向いている?インハウスの判断基準4つ

自社にとってインハウス運用が適しているかどうかを見極めるための重要な判断基準を4つ紹介します。
広告運用期間と対応スピード
広告運用に長期的な視点で取り組み、PDCAサイクルを継続的かつ迅速に回したい場合は、インハウスが向いています。一方、単発のキャンペーンや短期的な効果を重視する場合は、外注が効率的です。
インハウスでは市場の変化や競合の動きに合わせて、自社内で迅速に戦略を立案・実行し、効果測定に基づいた改善ができます。迅速な対応は広告戦略の効果をあげるのに重要です。長期的に施策を最適化し、継続的な成果を目指す企業は、インハウスを検討してみましょう。
広告にかけられる予算
外注では、運用代行費用が継続的に発生します。一方、インハウス運用では初期投資として、以下の費用が必要になる場合があります。
- 広告運用担当者の人件費
- 成果が出るまでの育成コスト
- 外部講師の招致費用
- ノウハウの整備費用
- 初期設定費用
社内の人材育成に予算があり、長期的な外注費用が人件費を上回る見込みがある場合は、インハウス運用を選択することで、長期的にコスト効率を高められる可能性があります。自社の予算規模や長期的な費用負担を比較し、最適な運用方法を判断しましょう。
広告ノウハウの蓄積
広告運用で得た知識や経験を社内に蓄積し、将来のマーケティング活動に活用したい場合は、インハウス運用が有効です。
広告運用の成功事例だけではなく、広告効果が得られなかったデータも社内で共有・分析され、貴重なノウハウとして残せます。このデータは、別の広告や今後のマーケティング施策に活かせる資産となります。担当者のスキルアップだけにとどまらず、組織全体のマーケティング力を高めたい企業は、インハウスを検討してみましょう。
長期運用を見越した体制づくり
インハウス運用は、自社のクリエイティブチームやWeb制作チームと連携し、スムーズかつ継続的に広告運用体制を築きたい場合に最適です。
広告戦略の立案段階からクリエイティブ制作やLPの改善まで、社内の関連部署が一体となって取り組めます。これにより、制作物の修正指示や新しい施策の立ち上げがスピーディーになり、柔軟に改善を繰り返せる環境が整います。
広告運用スキルを持つ人材を社内で育成することで、外注に依存せずに、知見やノウハウを社内に蓄積が可能です。長期運用を見越した体制構築には、一定の教育コストや育成期間がかかることを認識しておきましょう。
外注に必要な費用と相場

広告運用を外注する場合、広告出稿費や運用手数料など、複数の費用が発生します。費用の内訳や相場を把握した上で、あらかじめ予算を立てることが重要です。ここでは、広告運用にかかる費用の種類と相場や、外注時に必要となる費用の目安を解説します。
広告費と運用費を混同させない
外注する場合、広告にかかる費用は大きく分けて以下のとおりです。
- 広告媒体に支払う「広告出稿費」
- 広告代理店に支払う「運用手数料」
広告出稿費は、広告媒体に支払う掲載費や、バナーや広告デザイン制作費用が該当します。広告代理店に支払う運用手数料は、戦略立案やキーワード設定、効果測定など運用業務を代行してもらうための費用です。
広告のデザイン修正など一部業務は、運用手数料とは別に追加料金が発生する可能性があります。広告出稿費と運用手数料は性質が異なるため、それぞれで予算を管理することが重要です。
広告運用を外注した場合の相場
広告代理店に外注した場合、以下の費用がかかる場合があります。
- 初期費用
- 運用代行費用(ランニングコスト)
- オプション費用
初期費用は、新規アカウントの開設や戦略立案、広告設定など初期設定にかかる費用です。広告代理店や契約内容によって異なりますが、約数万円~数十万円が目安です。
運用代行費用(ランニングコスト)は、広告運用を継続的に代行してもらうための費用で、広告費の約20%が相場とされています。ただし、広告費の額や契約形態によって変動します。
オプション費用は、レポート作成やランディングページの改善、クリエイティブ制作など、追加業務に対して発生する費用です。対象業務は、広告代理店によって異なるため、契約前に確認しておきます。
各費用の内訳や対象範囲を事前に把握し、予算や契約条件と照らし合わせながら依頼することが、想定外の追加費用を防ぐポイントです。
手数料相場について詳しく知りたい方は、こちらをご参照ください。
外注を成功に導く4つのポイント

広告代理店の選定だけでなく、運用体制や情報共有、教育支援、内製化の進め方など、外注する前に注意すべき点があります。効果的かつ継続的に活用できる外注先を選ぶために、押さえておきたい4つのポイントを解説します。
レポート確認と改善体制の有無
外注先の広告代理店から提出される定期的なレポートを確認し、広告の成果を正しく把握することが大切です。レポートにはクリック数や表示回数、コンバージョン率、顧客獲得単価など、具体的な成果指標が含まれています。
レポートに書かれているデータをもとに、改善案を提案する体制が整っているのかも重要なポイントです。広告代理店を選ぶ際は、データ分析だけでなく、具体的な改善提案までやっているのかチェックしましょう。
成果の可視化と情報共有
広告の成果を社内で共有し、成功体験を積み重ねる仕組みで、社内全体の理解やモチベーション向上につなげましょう。外注先との間に、透明性の高い情報を共有する体制の構築も重要です。
部分的に広告運用を外注する場合でも、定期的に成果を社内で共有することで、知見が蓄積され、担当者以外のメンバーにも関心をもたせやすくなります。広告運用の定期的な報告会の実施、進捗状況や成果を共有するためのツールの活用も効果的です。
教育支援やノウハウ移転の体制
将来的にインハウス化を視野に入れる場合は、外注先が教育支援やノウハウ移転に協力的な体制を整えているか確認しておきましょう。
広告運用には専門的な知識やスキルを持つ人材が必要です。教育環境を整えることで、業務効率の向上や広告品質の維持、担当者の属人化リスクの軽減につながります。新たにメンバーが加わった場合でも、早期に業務に慣れ、生産性を高めやすい環境を構築できます。
段階的な内製化と外注の併用
インハウス運用に不安を感じる場合は、一部の業務から試験的に内製化を始め、外注との併用を検討しましょう。プロジェクト単位や特定の部門からインハウス化をスタートすることで、リスクを抑えつつ、自社の運用ノウハウを蓄積できます。
また、外注先から専門的な知識やサポートを受けながら、必要なスキルや知識の習得も可能です。徐々に対応範囲を広げ、自社での運用体制を確立する流れをつくるのもよいでしょう。
判断に迷ったら、小さな外注から始めてみよう
広告運用をする上で、インハウスと外注には、それぞれメリットとデメリットがあります。予算やリソース、目標を総合的に考慮し、自社に最適な運用方法を見極めることが大切です。
判断に迷う場合は、一部業務を外注し、広告代理店の知見やサポートを受けながら、段階的に検討することもおすすめです。
弊社は、SNS広告(Facebook・Instagram・LINE)やリスティング広告の運用をはじめ、ターゲット設定からクリエイティブ制作、運用改善まで一気通貫でサポートしています。広告運用をどこから始めればいいかわからない方も、ぜひお気軽にご相談ください。


\Lステップ正規代理店が事業課題を解決するLINE戦略をご提案!/